コラム
補償内容の水濡れとは!?雨漏りとの違いと申請のポイント
2021/08/13コラム
現在、西日本を中心に記録的な大雨となっております。今後も前線が停滞する影響で断続的に激しい雨が降ることが予想されます。避難指示が発令されている地域もございますので、まずは身の安全を第一に災害が発生する前の避難を心がけて下さい。
状況は刻々と変化しますので、避難指示が出ていないからと警戒を怠らず、今後の大雨の動向を気にかけて備えて下さい。備えあれば憂いなしとも言いますので。
今回のような大雨が続きますと、建物内で多く発生するのは雨漏りの事故です。
雨漏りが発生して火災保険の請求をしたけど保険金がおりなかったというお客様からのご相談も多く頂きますので、今回のコラムでは雨漏りについて書かせて頂きます。
補償内容の水漏れで雨漏れは補償されるの?
結論から申し上げますと、水漏れでは雨漏りは補償されません。
水漏れというのは主に給排水設備の破損によって生じた漏水被害を補償する内容で、雨漏りを補償してくれるものではありません。
水漏れの例としては、キッチンや洗面台・トイレなどの配管が破損して、漏水被害が発生した場合は水漏れの補償対象になります。
ここで注意して頂きたいのは、補償される範囲は漏水被害によって水浸しになってしまった部分(床・壁・天井・家財など)であって、破損してしまった配管などは対象にはならないという事です。
また、ベランダや陸屋根の屋上から雨水を排水する為にドレン配管が設置されていますが、ゲリラ豪雨などで排水の許容を越える雨が降った場合に室内に漏水が発生するケースも水漏れで補償される可能性があります。
可能性があると書かせて頂いたのは、排水する為のドレンの清掃を日頃から行っていて排水機能に問題がなかったか、ベランダや陸屋根の防水処理(防水シートやウレタン防水など)は防水機能をしっかり果たせている状態なのか、などいろいろな要素が関係してくるからです。
雨漏りはどういう時に補償してくれるの?
では、雨漏りはどういう時に補償してくれるかですが、突発的に起きた建物への被害(外的要因)に起因する雨漏りの場合で、雨漏りの発生原因が何なのかを明確にする必要があります。
建物の構造による雨の吹込みや、建物の経年劣化が原因による雨の吹込み(染み込み)などは火災保険で補償はされません。
また、雨漏りという補償内容はありませんので、保険会社に保険金の申請をする際は、何が原因で雨漏りが発生しているのか伝える必要があります。(原因を明確にせず、「雨漏りが発生したので保険金請求をしたいです」では経年劣化と勝手に判断されて保険金が下りない可能性が高いので注意して下さい。)
雨漏りを補償してくれる事故のケースとしては、
①強風により屋根材が飛ばされたり、捲り上がった所から水が入り込み雨漏りするケース【風災で補償】
②強風により物体が外壁などに衝突した所から水が入り込み雨漏りするケース【風災で補償】
③大雪により屋根材がずれた事によって生じた隙間から水が入り込み雨漏りするケース【雪災で補償】
上記のように、自然災害などによって建物が破損し、その破損が原因で雨漏りが発生するケースは補償されます。
保険金請求の際は雨漏りが発生した場所などの写真が必要になるので写真の撮影をお願いします。また、雨漏りの状況が酷く、水滴が落ちてきているような場合は動画を取って、保険会社の方が確認に来た際に事故当時の状況を見せることが出来ればベストです。
また、お客様からの相談で多い一例として、窓枠廻りの雨漏り被害があります。
大概の場合は、窓枠廻りのコーキングが劣化して、その劣化したコーキング部分から雨水が侵入しているケースですので、劣化が原因の場合は火災保険の対象にはなりません。
保険会社も窓枠廻りの雨漏りは「経年劣化ですよね」と安易に否定しがちですが、弊社では一概にコーキングの劣化が原因とは決めつけず、窓枠が歪んだ事によって雨漏りが発生していないか、窓枠廻りではなく外壁や他のところに原因が無いかなど、お客様に保険金を少しでも多く受け取って頂くために調査をしておりますので、ご安心ください。
雨漏りを保険金請求する上でのポイント
最後に雨漏りを保険金請求するうえでのポイントをまとめさせて頂きます。
POINT1 雨漏り発生時の写真(動画)を撮る
POINT2 雨漏りの原因をはっきりさせる
POINT3 保険金請求をする際は、雨漏りの「そもそもの」原因が何なのかしっかり伝える
繰り返しになりますが、雨漏りの保険金請求では事故原因をはっきりさせる事が重要かつ大変です。お客様ご自身で事故原因を明確にする事が困難な場合はお気軽にお問い合わせください。
北野康太