コラム

屋根の劣化状況をAIで診断する注目のシステム

2022/07/29コラム

皆さん、こんにちは。

火災保険金の請求とはあまり直接関係ないテーマに見えますが、弊社が業務提携している企業様で、なかなか凄いものを開発されましたのでご紹介させていただきます。

屋根劣化表情診断サービス『ソラカラ』

衛星画像から屋根の劣化表情をAIで診断するという画期的なシステムです。すでに特許申請も終わりましたのでいよいよ本格的にリリースとなりました。

これを開発されたのは株式会社アイ・シー・ジーの廣瀬社長です。

廣瀬社長は浦安市の建築設計事務所を経営されていますが、地域の工務店が新規の営業をするために何かいい方法はないかと模索し、このシステムを思いついたとのことでした。

また、廣瀬社長は日本インテリアコーディネーター協会の理事長でもあり、多くの企業とお取引がある中で、やはり地域で頑張っている工務店が活性化するために何かいい手立てはないだろうかと常日頃からお考えになられていました。

工務店の営業ツールで威力を発揮!

弊社も開発当時からお話を伺っておりまして、いろいろ勝手な意見をお伝えしてきたのですが、衛星画像を使って屋根の劣化診断ができれば、現地に行かずとも屋根になんらかの不具合が発生している家がわかり、工務店さんの営業ツールとしてはもちろんですが、それ以上に価値があるシステムだと感じておりました。

損害の根拠となる客観的・科学的資料

少し分かりづらい説明になってしまいますが、

例えば完全に劣化しきっている屋根の劣化指数を仮に100だとすれば、単純に経年による劣化(自然に損耗したと仮定)で劣化指数100までいく年数を建築後30年とした場合(あくまで例えです)、築10年経った建物の屋根は劣化指数20が標準値だとします。

しかしこの劣化指数20よりもかけ離れた指数50だった場合、経年劣化ではない、何か特別な(自然災害等)によって損耗していることが予測できます。

劣化指数の標準値を著しく超えた屋根は、自然災害によって破損した可能性が高い

その劣化指数がいつの時点で経年劣化による指数を著しく超えてきたのか、その劣化状況を過去の衛星画像から遡って検証していけば、その時期がわかります。

その時期に一体何があったのか、気象データを重ねてみると、実は大型の台風が通過した時期と一致したりするのです。

火災保険請求におけるエビデンスに

保険会社は火災保険金請求にあたり、特に屋根の損害については経年劣化として判断してくることがありますが、このシステムを使えば、実際に経年劣化なのかどうなのかということが客観的、科学的に証明ができる可能性があるということです。

今は工務店さんの営業ツールとしてリリースされていますが、弊社としてはこのシステムを保険金請求時の損害時期特定のエビデンスとして利用していこうと考えています。

弊社も日々、保険金請求について、よりしっかりした報告書作成に努力を重ねていますが、さらに進化した報告書を提供し、火災保険契約者の皆様がしっかりと保険金を受け取れるように進化していきたいと思っています。

是非、下記リンクもご覧ください。

屋根劣化表情診断サービス『ソラカラ』

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土井 隆