コラム

【インタビュー記事】賃貸物件の原状回復に火災保険を活用|尾前損害調査オフィス株式会社のSDGsへの取り組み

2022/10/31コラム

皆さん、こんにちは。

先日の『大家さんフェスタ』でも触れましたが、やはりアパート・マンション経営をされている不動産オーナーさんの興味を大きく持っていただいたのは賃貸物件の原状回復でした。

その後も反響が大きく、少しでもお役立ちできればと思っております。

今回は、今からほぼ1年前ですが、株式会社Saccoさんでインタビューを受けた時の記事です。

弊社の取り組みについて、少しでもご理解いただければ幸いです。

 

賃貸物件の原状回復に火災保険を活用|尾前損害調査オフィス株式会社のSDGsへの取り組み

SDGsの取り組み経営インタビュー
SDGsへの取り組み事例(尾前損害調査オフィス株式会社)

尾前損害調査オフィス株式会社は「火災保険申請サポート」を専門に行う企業だ。プロフェッショナルの目線で建物の損害を鑑定し、補償対象であれば正当に最大の保険金を得るため尽力している。一度建てた建物を長く維持するにはメンテナンスは不可欠だが、資金の問題からなおざりになっている物件は多い。実は、火災保険の適用範囲は意外と広いのだが、知られていないからだ。

このたび、不動産オーナーからの要望を受け、新たに賃借人退去後の室内の鑑定サービスを開始した。敷金でまかないきれない原状回復に保険金を活用するためのサービスだ。SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」の推進に貢献する本サービスと同社のSDGsの取り組みを尾前損害調査オフィス株式会社統括マネージャーの土井隆さんに語っていただいた。

建物のメンテナンスに保険金の活用を

古くなった建物を取り壊して新たに建てる。これまで当たり前のように行われてきたスクラップ&ビルドは、大量の二酸化炭素を排出し、廃棄物を生み出す。SDGsの観点から見ても、持続可能な活動とは言い難い。

「諸外国のように、今ある建物をしっかりメンテナンスして長持ちさせることが、これからの取り組みとして必要だと考えています」

尾前損害調査オフィス株式会社の統括マネージャーである土井さんは、火災保険のプロフェッショナルの立場から、不動産オーナーが保有する物件の保険申請サポートを行っている。火災保険というと、台風や火災などの自然災害による被害を保険金でまかなうという認識の方がほとんどではないだろうか。例えば、建物の屋根が割れたり、壁にひびが入ったり、つまり建物の躯体が傷つき修繕を必要とする場合だ。

しかし、建物のメンテナンスは外側だけではない。賃貸物件を保有する不動産オーナーにとって、賃貸人の退去に伴う室内のクリーニングや原状回復、つまり内側の手入れも重要だ。東京都内の賃貸物件においては、入居から退去まで平均2年というデータがある。つまり2年に1度のサイクルで部屋の内装・クリーニングなどの修繕・補修費用がかかるのだ。敷金からまかなうにしても足が出る場合も多い。

「ご存じない方が多いのですが、実は、火災保険によっては原状回復の補償がカバーされているものがあります」

土井さんによると、火災保険では、原状回復費用のかなりの割合が補償対象なのだという。もちろん、日焼けやタバコによるクロスの変色など、経年劣化や通常損耗は対象外だ。しかし、原状回復において敷金で相殺できなかったようなレベルの破損や、賃借人が誤って傷つけてしまったようなことも含め、プロの目で見ると火災保険の適用なのに保険が活用されていないことが多いそうだ。

「ご確認いただきたいのは、火災保険の『不測かつ突発的な事故』もしくは『破損・汚損』が保険内容に含まれているかです。最近の保険に加入されている方であれば、意図的に外していなければ補償内容に含まれていることが多いですね」

賃貸物件の原状回復に火災保険が適用になる場合がある

原状回復にかかる費用を請求するために新たな特約などは不要で、実はすでに加入しているケースがほとんどであるという。れっきとした保険請求事項であるのに、火災保険の知識がないばかりに保険金を受け取り損ねていたのである。どのくらいの期間の損傷であれば請求が可能なのだろうか。

「保険法によって請求期限は3年と定められています。お部屋の中の損傷は客観的な証明は難しいですが、2年サイクルで入居者が入れ替わっている場合、前の賃借人の退去時に原状回復が行われているはずです。2年以内に起こった事故であるという証明が成り立ちます」

現在の賃借人が3年以上居住している場合は難しいが、入れ替わりのサイクルが早い物件であれば、保険が適用できる可能性が高いのだ。

尾前損害調査オフィス 土井隆さん

保険会社への提出資料の作成を「当社」が行うから対応が速い

補償対象であるにもかかわらず、原状回復に火災保険が適用されてこなかったのはなぜなのだろうか。

「そもそも、火災保険の約款の補償内容がわかりづらいですよね。仮に請求しようとしても、お部屋の傷が補償対象の『破損・汚損』なのか、それとも経年劣化によるものなのか、一般の方に判別は難しいと思います」

賃借人が退去した後は、すぐに次の賃借人を迎え入れられるように、なるべく早く修繕を済ませたい。不動産オーナーには、じっくりと部屋をチェックして保険請求手続きをしている時間の余裕はない。仮に請求を行ったとしても、損害査定で補償対象外のものが混ざっていると「虚偽申請」とみなされ、請求が却下されてしまうのである。

そこで、尾前損害調査オフィスでは、退去時に物件に赴き、その場で鑑定を行って保険金請求書類を作成するまでの一連の流れを新たなサービスとして開始した。退去時に尾前損害調査オフィスのスタッフと共に部屋の確認に赴き、その場で写真撮影も含めて鑑定を行ってしまえば、オーナーはすぐにでも原状回復に取り掛かることができる。

「通常の火災保険の請求は金額が大きいこともあり、損害調査報告書を送付してから保険会社による査定や鑑定人による現地調査の立ち合いなどもあり2~3カ月かかります。ですが、賃貸物件の査定に数カ月もかけるのは実情にそぐわないという認識が保険会社にもあるため、この補償は当社が撮影した写真と書類のみでの審査です。おおよそ1カ月以内には保険金が入金されます」

尾前損害調査オフィスのコンサルタントは、保険会社出身で火災保険の約款を熟知している。その報告書は保険会社からも信頼度が高いと認識されているからこそであろう。建物の外側の火災保険に比べると保険金額は少ないが、契約している保険金の金額内まで請求が可能だ。開始したばかりのサービスで、申請はまだ数十件ほど(2021年10月時点)だが、全て保険金が下りているという。

尾前損害調査オフィスの現地調査の様子

現地調査の様子

火災保険申請のサポートを通じて、SDGsなどサステナビリティ社会づくりを推進

気になる金額であるが、このサービスでは保険金の35%が成功報酬だ。仮に保険金が10万円だったとすると、オーナーの手元には6万5千円が残る。保険金が支払われなかった場合の費用負担はない。新たなキャッシュを家賃以外で生み出すことができるのだ。

さらに、支払われた保険金の使用用途は、当該物件の原状回復に限らない。例えば、A物件で保険金をもらったとして、それをB物件の修繕に使うこともできる。大規模修繕に備えたり、リノベーションに使ったりすることも可能だ。

「非常に自由度の高い保障なので、ぜひ保有する物件の競争力を上げるためにお使いいただきたいですね。建物がいつまでもキレイであれば、新たに建て直す必要もありませんので、まちづくりの観点からもおすすめしたいサービスです。SDGsの「住み続けられるまちづくりを」の推進に貢献できると思います。」

SDGs目標11:住み続けられるまちづくりをのアイコン
目標11:住み続けられるまちづくりを

建物のこまめなメンテナンスは、物件の強靱さを向上させる。長く使えるだけでなく、資産価値を高めることにもつながる。現在では、サービスの対象は首都圏に限っているが、すでにいくつもの企業からアライアンスのオファーがあるそうだ。

「このサービスと共に建物の損害を含めた保険金の申請サービスを、自社のサービスに付け加えたいというお申し出をいただいています」

尾前損害調査オフィスでは、サービスを利用しても顧客が自力で請求しても下りる保険金がほぼ変わらない案件については、お客様の手数料負担を考えて契約を行っていなかったという。しかし、建物の損害で依頼をいただいた不動産オーナーからの要望で室内の鑑定を行った結果、大きな反響があった。要望に応えているうちに、不動産オーナー向けのサービスを手掛ける企業の新サービス開発にも貢献した形だ。まさに顧客ファーストが生み出した相乗効果といえよう。

つくったものは、ちゃんと補修して長く使う。日本では、これからの人口減少に加え、空き家問題がある。新しいビルやマンションを建て続けるのはサステナビリティの観点からもそぐわない。しかし、まだ使える建物を活用するメンテナンスやリノベーションには資金が必要だ。尾前損害調査オフィスは、火災保険申請のサポートを通じて、不動産オーナーに正当かつ最大の保険金受け取りを実現することで、SDGsの取り組みにつながる貢献を行っている。

「このお話に興味があるオーナー様は、まずご自身の物件の保険を確認していただきたいですね。現在ご加入の保険では『不測かつ突発的な事故』もしくは『破損・汚損』が対象外の場合は、保険を切り替える必要があります。賃借人の退去の前に備えておいていただきたいですね」

SDGs目標12:つくる責任つかう責任のアイコン
目標12:つくる責任つかう責任