コラム

火災保険料の値上げは誰のせいなのか??

2022/05/20コラム

皆さん、こんにちは。

今年の10月に火災保険料が値上げになるというニュースがあります。

国際情勢が不安定な中、さまざまな物やサービス、エネルギーが値上がりしている中、さらには火災保険料も値上げとなり、個人は家計を圧迫され、企業も経費負担が増大します。

そもそも火災保険料の値上げはなぜ起こってしまうのか、今巷で言われていることを踏まえて意見をお伝えしておこうと思います。

【将来の自然災害リスクが計算できなくなってきた!】

保険料はものすごくザックリとお伝えすれば、過去の自然災害等の歴史や実際に支払った保険金を元データにして、将来の自然災害を予測した上で決められます。

昔は長期火災保険の保険期間は最大で36年、数年前に10年に短縮され、今年の10月には5年間が最長になります。

その理由は『100年に一度の豪雨』などというレベルの災害が毎年のように起こっていることと、地震もかなり頻繁に発生していて、過去の自然災害のデータがあてにならなくなってきたからです。

【火災保険料の値上がりは火災保険申請サポート会社のせい?】

そして保険料率の値上げの原因のひとつとして、火災保険申請サポート会社が増えて、保険金申請件数の増加とともに支払保険金が増大したという話がありますが、それは言いがかりではないかと思います。

実際に火災保険申請サポート会社による保険金申請件数が保険料を上げざるを得ないほど増えたのかは疑問でしかありませんが、正直なところ、そのようなサポート会社による申請によって【保険金支払い】が劇的に増加したとは思えません。火災保険申請サポート会社の数はここ2〜3年でかなり増えたのは事実ですが、毎年1000件以上申請サポートをしている会社はごく稀で、そのほとんどは細々とやっているのが現状です。

【契約者が火災保険金請求をしてこないと思っていた?】

また、先述したように保険会社はあらかじめ将来の支払い保険金を予測して保険料を決めています。

仮に火災保険申請サポート会社による保険金請求があったとしても、その請求が自然災害によるものであれば保険金を支払わなければ約款違反になります。

その【細かな自然災害の保険金支払額】まで計算していなかったとするならば、そもそものリスク計算がかなり甘い計算になっていたのか、もしくは自然災害があったとしても保険金の請求自体がそこまでなされないと予想していたのではないでしょうか?

「思った以上に保険金請求がきてしまった!」というのが本音ではないでしょうか?

そうであれば、保険料の値上がりは火災保険申請サポート会社の責任ではなく、保険会社が料率計算をする際にそもそも請求件数を甘く見て、支払保険金額を少なく見積もったことにも原因があります!と言いたくなります。。

ただ、将来の自然災害リスクを予測することなど不可能です。そういう意味でその計算を見誤っていたことを保険会社の責任にするわけにもいきません。

一方ではリスクが上がる分、掛け金がそれなりに上がることは仕方がないのですが、約款通りにしっかり支払うことを前提に、保険金請求という手続き自体が、契約者に充分認知されているかどうかを考えていただきたいと思います。

【契約者から請求がなければスルー!】

今から15年前、20年前あるいはそれ以上前に火災保険契約をされた契約者様が本来受け取るべき保険金は一体いくらになったのでしょうか?受取れるにも関わらず、保険金請求がないことを理由に【積極的に】支払うことをしてこなかったのは保険会社です。

ほとんどの契約者様は約款通りにどのような損害でいくら支払われるのかをご存知ありません。

それほど複雑で分かりづらい契約になっているのです。

弊社は保険会社が作る約款通りの支払いがキチッと実現されるように火災保険契約者様をサポートする専門の会社です。

保険会社が作るルールをしっかり把握して、契約者様が保険料だけを払い続けるような状況を無くしていくことが弊社が存在することの社会的大義です。

【火災保険料の値上がりは誰のせいでもない!】

今回の保険料の値上げは保険会社の責任ではありません。もちろん火災保険申請サポート会社の責任でもありません。単純に自然災害リスクが増加したことです。

このコラムをお読みいただいた皆様には、どうか巷に溢れる情報だけに惑わされず、何が正しいのかをご判断いただければ幸いです。

今後も新しい、正しい情報をしっかり収集しながら、火災保険契約者様にしっかり保険金を受け取っていただきたいと思っております。

土井 隆