コラム
損保会社 VS 保険契約者
2022/08/17コラム
皆さん、こんにちは。
唐突ですが、損保会社と保険契約者、どちらが立場が強いのでしょうか?
保険会社にインタビューすると
「それはもちろんご契約者様あっての損害保険事業です」と答えるでしょう。
保険契約者にインタビューすれば
「それはもちろん、保険契約者でしょう」
と答えます。
しかしこの図式が成り立つのは恐らく
損害保険会社と保険契約者集団です。
いざ保険契約者個々となると、なぜか保険会社が強くなる印象があります。
損保会社各社が掲げる「お客様本位」「顧客中心主義」とは何でしょうか?
非常に疑問が湧いてくるのは、私だけでしょうか?もちろん私も保険契約者の1人です。
保険会社にしっかり「お客様本位」「顧客中心主義」を実行していただくためには「保険契約者集団の組織」が必要なのかなと思ったりします。
保険金の不払いだと言う契約者の声
弊社には、現在進行形で損害保険会社と交渉しているが、なんとかならないかというご相談がたくさん寄せられます。
弊社で調査したお客様ではありませんので、横から口出しできることはないのですが、お客様の言い分を伺っているとやはり保険会社の対応に問題があるのではないかと思えることが多々あります。
どういう状況なのか、保険金請求に至った経緯から順を追ってお話いただくのですが、結局お客様は保険金が下りないことを発端にして、保険会社の対応に不満をお持ちになります。
ただ、お話を伺っていると保険金が下りないという連絡をキッカケにして保険会社へ不満を募らせているのですが、問題がこじれるのは、やはり保険会社が請求に関しての見解とその説明をしっかり実施していないのではないかということです。
損害保険会社の対応には問題がないのか?
「出せないという書面と共に約款のコピーが送られてきただけでなんの説明もない」
「何度言われても決定したことなので覆ることはありません。不服なら弁護士を通じて裁判を起こしてください」
「自然災害ではなく、経年劣化と判断しました」
「鑑定人の態度が悪く、初めから否定的な態度で気分が悪くなった」
などなど、もう少し丁寧に説明すれば、お客様も無理矢理にでも保険金を受け取ろうとしているわけではないのでこじれることは少ないのではないかと思います。
例えばただ約款を送りつけるというのは、非常に乱暴なやり方と感じますし、約款が根拠だというのならそれをちゃんと分かりやすく説明する義務があると思うのですが。
鑑定人の態度が悪いというのは、どういうつもりなんでしょうか・・・
契約者に対して丁寧に説明義務を果たすべき
そもそも火災保険金請求において、契約者は約款についてほとんど知らないのです。
保険会社も交付するだけで説明はしていません。保険金が認められない理由を求められたなら、約款を丁寧に説明すべきでしょう。
契約者が自然災害による突発的に起こった損害と思って保険金請求したものを経年劣化と判断したのなら、その判断した根拠を示してほしいと思うのは当然ではないでしょうか?
契約者は突破的に起こった事故だとなんらかの根拠をもって請求しているかと思うのですが、それを全否定するのであれば、今度は保険会社がその否定した根拠を示していかなければフェアではないと感じてしまいます。
お客様へのサービス精神が足りないと感じられればお客様も気分を害してしまいます。
どうしても納得がいかないから徹底的に保険会社に説明を求めると言って、かなり憤慨されている方も中にはいらっしゃいます。
弊社が実際の損害状況を把握していないことが多いので無責任なことはお伝えできないのですが、保険金が下りなくても、そういう時こそ保険会社の説明がもう少しわかりやすく、親切であればなあと思います。
なぜ必要以上に契約者に不快感を与えることがあるのでしょうか?
特定の社員、あるいは鑑定会社の鑑定人がそうしているだけでしょうか?
たとえそうであってもそれは保険会社の責任ですが。
損害保険会社は1人の契約者に対しては非常に強気な態度を取るように見えます。
ただ、保険契約者集団(組織)が相手ならどうなんでしょうか?
今の契約者への対応では、保険金不払いという印象が強いままになってしまいます。
そして保険金が下りない時ほど対応がしっかりしている保険会社に変えていくという動きが加速するのではないかと思います。
土井 隆