コラム
大雨でリビングに漏水が発生した事例
2022/08/22コラム
皆さん、こんにちは。
今年も豪雨が多く、あちこちで大きな被害が出ています。
弊社も豪雨での被害による調査依頼が多く、被害状況を目の当たりにしております。
1日でも早く、元の生活に戻れますよう心から祈念しております。
今回のコラムでは、大雨で漏水が発生したというご報告を受け、調査させていただいた事例をご紹介します。
1階リビングに突然雨水が落ちてきた!
御依頼者のKさんから電話をいただいたのは2022年5月末。前日の大雨でリビングに雨漏りが発生したので見に来てほしいというものでした。
雨漏りに関しては、外壁のひび割れやコーキングの劣化によって隙間ができてしまい、雨が吹き込んだことによって雨漏りが発生することがよくあります。この場合、保険金支払いの対象にはならないため、雨漏りの原因をしっかり調査する必要があります。
当時の状況をヒアリングして調査開始
Kさんの自宅は築6年。
見た目は非常にキレイな建物で外壁などにひび割れはありません。
事故当時の状況は以下の通りでした。
①当時はかなり強い雨が降っていた。
②1階のリビングにいたら天井や壁からかなりの量の水が滴ってきていたのに気がついた。
③確認のため2階に上がり、ベランダを確認するとベランダがプール状になっていた。2階には被害はなかった。
④翌日、水が引いた後にベランダを確認すると大量の落ち葉があり、新築時から常時敷いてあるウッドデッキを取り除くと排水口に落ち葉が溜まっていた。
⑤Kさんはベランダに落ち葉が溜まらないように毎日掃除をしている。
⑥ウッドデッキの下にある配管は半年に一回掃除をしていて非常にキレイな状態を保たれていて詰まることはない。
このような状況でしたので、雨の吹き込みも考えられないことから、どこから侵入したのかを詳しく調査していきました。
雨漏りの原因が判明
調査の結果、以下の原因がわかりました。
文書よりも図の方がわかりやすいので、保険会社に提出した実際の報告書から抜粋します。
雨漏りは外壁やコーキングの切れ目、サッシの隙間などからの漏入や吹き込みではなく、大量の大雨によってベランダの排水処理のキャパを超えて溢れた雨水が通常ではあり得ない角度から壁面を伝って流れたことがわかりました。
保険金が確定
後日、保険会社から依頼を受けた鑑定会社との立会い調査が実施され、上記を含めた資料を元に弊社も説明いたしました。
1階の漏水被害は大きく、この被害だけで200万ほどの保険金が確定しました。
火災保険のどのような補償で保険金が支払われたのか?
Kさんの事故は大雨によって給排水管のキャパを超えたことが原因です。
今回の補償は給排水管の故障による水濡れ被害ということで保険金がおりました。
雨漏りは保険金がもらえないと思っている方が多い
火災保険には『雨漏り』という補償内容がないため、保険金請求ができないと思われている方も多いかもしれません。
しかし、雨漏りの原因が補償内容に合致していればしっかり保険金は下ります。
調査は専門家ではないと難しく、火災保険の補償に合致しているかどうかとなると、火災保険の知識も必要です。
諦めることなく、お困りのことがございましたら、是非ご相談ください。お力になれるかもしれません。
土井 隆