コラム
火災保険金が4年間で4回支払われた事例
2022/08/24コラム
皆さん、こんにちは。
前回、『一度も保険金請求をしたことがなくて、いざ保険金請求をしてみたら支払いを拒否されたという事例』というコラムを書きました。
複数の方からもう少し具体例を聞きたいとお問合せをいただきましたので、今回はそれによってどのような損得が出たのか分かり易い事例をお伝えしようと思います。
この4年間で地震保険金を4回もらった事例
弊社のお客様で地震保険金をこの4年間で4回もらった方が多数いらっしゃいます。
『火災保険金は請求したほうがいい』という事例で、これが1番わかりやすいかと思いますので、そのうちのひとつをご紹介させていただきます。
【請求事案】
①2018年7月に東日本大震災で一部損
②2021年4月に2021年2月の地震で一部損
③2022年1月に2021年10月の地震で一部損
④2022年6月に2022年3月の地震で一部損
上記4回の地震保険金を請求し、全て一部損が認定されました。
一部損は地震保険金の5%です。このお客様は地震保険金1100万円をかけられていましたので一回の一部損で55万円。
4回の合計は実に220万円になりました。
おそらくこういう事例は一般的には珍しいのではないかと思います。
なぜ4回も認められたのでしょうか?
前回の被害状況との比較が簡単だった
毎回しっかり請求することで、その時々の被害状況を撮影していたため、保険会社が以前の被害なのかそのあとの被害なのかの区別が容易に判断できたということです。
地震保険の請求では保険会社はほぼ必ず現地での被害状況を確認にきて、その写真を撮っていきます。つまりこちらが撮影しているものだけではなく、保険会社も撮影し社内で保管しているのです。
1回目の東日本大震災の被害状況を撮影してから2年半後に2回目の地震被害の請求をした際、1回目の請求時にはなかった被害が2回目に生じていたのが、それぞれの比較写真から簡単に確認できたのです。
以降3回目の請求時も4回目の請求時も同じです。
常に新しい被害状況が簡単に判断できる資料が整っていたためスムーズに保険金を受け取ることができたのです。
比較できない場合は直近の被害分しか認定されない
仮に2022年3月の地震での請求しかしてなかったとしたら、それ以前の3回分の被害がいつの地震で起きたのかわからなくなります。
東日本震災のひび割れは『古くからあるひび割れ』程度の判断で東日本大震災のものかどうかはもう判断してくれません。
2022年3月の地震は最近の地震です。その被害の計算の中に『古いひび割れ』は除かれてしまいます。
結果として、この場合2022年3月の地震保険で一部損認定されるにとどまり、55万円が支払われることになります。
同じ建物の地震被害でも、しっかりと毎回請求していた場合には220万円が認定され、毎回していなかった場合には55万円になってしまうのです。165万円の差はかなり大きいのではないでしょうか?
『損害なし』の写真も重要
結局のところ、現時点での建物の写真をしっかり撮影しておくこと、これが保険金の受取漏れを防ぐ1番有効な方法なのです。
その時点で損害がなくても、『損害なし』という写真が必要なのです。
その建物に何か損害が出たときに、どの時点まで『損害なし』だったのかという証拠写真になるからです。
損害が出る可能性のある箇所の写真を撮影しておく
ただ闇雲に写真を撮るのではなく、例えば台風被害が出るとすればどういう現象が屋根や外壁に起こり得るか、雪が降ったら雨樋や屋根、カーポートなどにどういう被害が起こり得るのか。地震が起こったらどこにひび割れが起き得るのか、という観点を持ってあらかじめ撮影しておくことが大切です。
そのためには保険金が下りる場合にはどのような現象が起こっていなければならないのかということを知っている必要があるのです。
火災保険金請求には保険金請求の専門知識があったほうがよい
契約者が都度、保険金請求をするというはもちろんですが、あらかじめ写真を撮っておくということも現実には難しいことです。
弊社のような専門知識を持った者が、将来起こり得る事故を想定して写真を撮り、複数回の請求をする時のタイミングもお任せいただければスムーズな請求になります。
是非、弊社に建物の損害調査をお任せください。お問合せお待ちしております。
参考コラム:一度も保険金請求をしたことがなくて、いざ保険金請求をしてみたら支払いを拒否されたという事例
土井 隆