コラム

保険金支払いの三原則(保険金請求のルール)

2022/08/05コラム

皆さん、こんにちは。

保険会社はどのような基準で保険金支払いを決めているのでしょうか?

もちろん各保険商品には約款がありますので、個々の商品によって支払いルールは変わります。ただ、根本的な考え方というものがあり、その原則に基づいて各保険商品のルールへと派生していきます。

この原則を知っているかどうかで、火災保険金を請求するかしないか、下りるのか下りないのかの予想があらかたつきますので、是非知っておいてください。

保険金支払いの原則1【偶然】

まずはその事故が『偶然に起こった』ということです。必然的にそうなる状況であったり、わざと起こしたりしていないということです。

『偶然』と言えるためには、「一般的にそうなることが予測できなかった」ということが必要です。「一般的に」というのは、普通の考え方でもそうなることが予測できなかったということで、普通は予測できたと思われる事故は『偶然』とは見做されません。

具体的には

●揚げ物調理のために鍋の油を火にかけっぱなしにして火事になってしまった。

●寝タバコをしていて家事になってしまった。

●お風呂のお湯を出しっぱなしにして漏水事故を起こしてしまった。

●濡れたままの雑巾を床に置きっぱなしにしていて床をダメにしてしまった。

など、いわゆる重過失というものです。

保険金支払いの原則2【突発・急激】

2番目は『突発的、急激に』起こった事故であるということです。

時間の経過とともに徐々に起こったことは保険金支払いの対象にはなりません。

ある時を境に、元々の状態から破損してしまったということです。

具体的には

●屋根や外壁等がだんだん傷んできた(いわゆる経年劣化)。

●湿気が多く、カビが生えてしまった。

●タバコのヤニで壁が汚れてしまった。

など、時間をかけて起こってきた事象のことです。

保険金の支払い原則3【外来】

最後、原則の3つ目は【外来】つまり損害の原因が外から来たということです。

これは少し分かりづらいですね。

具体例から説明したほうがわかりやすいかと思います。

●台風で屋根が剥がれた。

屋根が壊れたのは「台風」という外からの影響を受けたことによります。

●自動車が家に突っ込んで外壁が壊れた。

外壁が壊れたのは「自動車」という外からの衝突が原因です。

●家電から火が出てカーペットが燃えた。

カーペットが燃えた原因は「テレビ」というカーペットの外にあるもの(カーペットそのものではない)が出火したことが原因です。

なんとなく理解していただけたでしょうか?

損害があったものの原因が「そのもの」ではなく「外部要因」があったということです。

保険金支払いの三原則全てに当てはまらなければならない

実は保険金支払いには上記の原則は3つとも当てはまらなければいけません。

【偶然】であり【突発・急激】であり【外来】であるという必要があるのです。

ひとつでも当てはまらない場合には保険金支払いの対象外になるというのが【三原則】です。

この三原則を知っているか、知らないかで正しい保険金請求ができるかどうかが変わってきます。

皆さん、是非覚えていただき、保険金請求の時には意識してみてください。

土井 隆