コラム
太陽光パネルの損害は建物の火災保険?
2022/08/29コラム
皆さんこんにちは。
皆さんのご自宅は太陽光パネルを設置されているでしょうか?
私の実家は今のようなスタイリッシュな太陽光パネルではなく、ベッドのような形をした物が乗っていました(^_^)
最近は雹が降ったりと、太陽光パネルも損害が出ていますが、実際に保険金請求する際に、建物の火災保険で対応できるのでしょうか?
太陽光パネルを設置した時期によって変わる
最近では新築時に最初から太陽光パネルを付ける家も多くなってきました。
この場合、建物の火災保険の補償内容がそのまま太陽光パネルにも適用されます。
ただ後付けの場合は、建物の火災保険の対象にはならないので注意が必要です。
後付けの太陽光パネルの損害保険とは?
後付けの場合ですが、太陽光パネル自体に保険をかけることになるのですが、これは火災保険ではありません。
『動産保険』という種類の損害保険です。
火災保険は建物にかける損害保険ですが、後付けの太陽光パネルは建物とは見なされません。
ただし最初から付いていた場合は建物の設備として見なされ、火災保険の対象になります。
そのため新築時に入る火災保険だけで補償されるのです。しかも太陽光パネルがあるからといって特に火災保険料が高くなることはありません。
一方、『動産保険』の場合は個別の物にかける保険です。そのため、家にかける火災保険の他に保険料が別にかかります。
同じ太陽光パネルでも設置したのが建てた後だと別で保険に入らなければいけないとなれば、予算的にも考えてしまう方も多いかもしれませんね。
保険金の支払われ方も全然違う
『火災保険』と『動産保険』は肝心の保険金の支払われ方も違うのです。
『火災保険』は損害があった物に対して、それを【新品】にする費用が(原則)全額下ります。古くなった物でも新品にできるということです。
一方、『動産保険』は原則、経年劣化(減価償却分)を差し引かれて保険金が支払われます。
極端な話ではありますが、わかりやすく例えるとすれば10年前に設置した太陽光パネルが毎年10%ずつ減価償却されるとします。これは年を追うごとに10%ずつ支払われる保険金が減っていくということです。
ということは10年経ったら残存価値がなしということで保険金が支払われないということを意味します。
『火災保険』と『動産保険』、動産保険のほうが最初、余計に保険料を支払っているのに支払いのときは圧倒的に火災保険のほうが有利ですね。
後付けの太陽光パネルも火災保険の補償にしたい場合
上記を考えると太陽光パネルも火災保険の補償にしたいですよね。
裏技っぽくなりますが、太陽光パネルを設置するタイミングで、今の火災保険を一旦解約し、もう一度火災保険に入り直すことで太陽光パネル一体の建物として火災保険の補償に組み入れることができます。
もちろん火災保険の保険金支払いルールの通り、損害があった場合は新品価格での保険金支払いになります。
解約する場合の注意点
火災保険を解約する場合に、『解約返戻金』が戻ってきますが、例えばあと5年間残して解約したら5万円戻ってくるとします。
そして新規で火災保険契約をしたら5年で8万円かかる場合、単純に3万円マイナスになります。
この辺りは保険代理店にお願いして、しっかり試算しなければいけません。
ただ冒頭にも書きましたが、雹などの被害やその他台風など様々な自然災害が多発している昨今、十分な備えをしておきたいところでもあります。
長短ありますが、一般にはあまり触れられていない内容かと思いますので、参考にしていただけたら幸いです。
土井 隆