コラム
地震被害で保険金請求していない人が多すぎる
2022/09/15コラム
皆さん、こんにちは。
2011.3.11東日本大震災は11年以上経った今も尚、皆さんの記憶にその衝撃が残っていることと思います。
当時、私は損保会社の社員でしたが、その瞬間を東京の浜松町駅付近のオフィスビル1階のカフェで迎えました。
突然、これまで経験したことのない大きな揺れでそのビルが倒壊するのではないかという恐怖から次々と人がビルの外に避難しました。
私は部下と一緒でしたが、すぐにビルの外に出ると国道沿いに立つオフィスビルが今にも崩れそうなくらい揺れています。
全ての車は停車していました。
程なく揺れが収まったあとに、近くにいた人の携帯のテレビ中継を見てその悲惨な状況に驚愕しました。
損保会社の方ならご経験済みですが、そこからは地震被害の調査に東奔西走する日々が続きます。保険会社の立場としてもできる限り早く全ての被災者へ保険金を支払いたいと、社員は休み返上で業務をしました。
各保険会社は地震被害のエリアを訪問し、地震保険に加入されている契約者に被害の確認を実施して地震保険金の支払いを推進しました。
被害状況を保険会社から確認に行った建物に関してはほぼ支払いは完了したと思います。
しかし全件訪問できるわけではありません。
TVCMでも地震保険金の受取りについて請求勧奨を実施しました。
それでも受取漏れがある
弊社は代表の尾前が2018年に当時勤めていた損害保険会社を退職し、尾前損害調査を設立して以来、多数の火災保険金受取りのお手伝いをさせていただいておりますが、その損害調査の中には未だに2011.3.11の地震被害について保険金を受け取っていなかったという方がたくさんいらっしゃることに正直驚いています。
なぜ受取り漏れが発生しているのか?
保険会社がTVCMをしても、何故これほど請求されなかった方がいらっしゃるのでしょうか?
お客様にその理由を伺うと、「請求できるとは知らなかった」「もっと大きな被害が出ないと請求できないと思っていた」という声がほとんどでした。
火災保険や地震保険の請求に関して意識をしていない
弊社のお客様のほとんどが、地震被害はもちろん火災保険での請求に関して「考えたこともなかった」という方がとても多いのです。
その理由は「火災保険や地震保険はどのような事故でいくらくらい支払われるのかを全く知らない」ということです。
実は保険金が支払われていた事故だったと気付かれたときには一様に驚かれます。
保険金が支払われることが分かっていたら間違いなく保険金請求をしていたと全てのお客様が仰られるのです。
火災保険、地震保険の請求は分かりづらい
火災保険の業務に深く携わっている損保会社の正社員であれば、どの程度の事故でいくらくらい支払う必要があるのかは理解しているはずですが、あいにく契約者はもちろん保険代理店であっても理解している人はいないと言ってもよいでしょう。
地震保険の損害査定のポイントを知っていますか?
地震保険査定箇所は保険会社共通です。
また建物の構造によって調査するポイントが違うので注意が必要です。
どこの箇所にどれだけの損害が出たのかによって地震保険金算出ポイントが違います。
損害ポイントが高ければ高いほど支払われる保険金額が大きくなります。(ただし、一定の損害ポイントごとに地震保険金の5%、30%、60%、100%の4段階のみ)
●木造軸組工法(在来工法)の場合
損害としてカウントされる場所は
基礎、外壁、柱、屋根です。
損害としての損害ポイントが高い順は、
①柱 ②基礎 ③外壁 ④屋根の順番です。
●木造枠組壁工法(ツーバイ工法)の場合
損害としてカウントされる場所は
基礎、1階の外壁、1階の内壁、屋根
●鉄骨造(軽量鉄骨造)の場合
損害としてカウントされる場所は
外壁、建具(建具は窓やドア等の開口部の総称です)
火災保険の請求事由は専門知識を要する
結局は、それらを判断するには火災保険の『深い』専門知識が必要なのです。
それほど火災保険金、地震保険金の査定や支払いに関してはブラックボックスになっていて一般の方にはわからないようになっています。
受取漏れ、請求漏れかどうかは建物を調査してみないとわからないのですが、東日本大震災以降も多くの地震や自然災害が全国各地を襲っています。
その損害状況を確認し、保険会社へ請求できるのかどうかの判断は難しいものがあります。
弊社は火災保険や地震保険について『深く』その経験と知識、情報がございます。
まずは弊社にご相談いただければ幸いです。
土井 隆