コラム

火災保険金申請〜経年劣化なのか損害なのか??

2022/01/13コラム

みなさん、こんにちは。

今回は、火災保険金の申請にあたって議論になる「経年劣化」なのか?「損害」なのか?についてお話ししたいと思います。

建物は建った瞬間から経年劣化が始まる

当たり前のことですが、物である以上、建築物は建った瞬間から経年劣化は始まります。

さらには長年、太陽の光に当たり続け、雨風に晒される運命ですからどんどん各部材は傷んできます。そのため住宅などは10年ごとに屋根や外壁などの修繕を勧められますね。

さて、それでは火災保険の申請にあたり、経年劣化と保険金が認められる損害の区別をどのように鑑定しているのでしょうか?

実は明確な区別は付けられません。保険会社の鑑定も担当した「鑑定人」によってバラバラです。それ自体が非常に問題だと思いますが、火災保険の鑑定はあくまでも「ヒト」による判断です。ある程度のバラつきは仕方がないかもしれません。

古い建物だから保険金が下りないということはありません!

お問い合わせいただく方から「うちは古い家だから保険請求なんかできませんよね?」というお声をいただきます。前述したように建物は古くなるのは当たり前です。

古い建物だからという理由で保険金が下りないのであれば、保険会社は火災保険契約を勧めるべきではありません。あるいは火事になった時だけの補償に限定すべきです。

古い建物でもほとんどの契約に風や雪などの自然災害での補償が付いています。つまりその分の保険料を契約者様はすでに何年も何十年も支払い続けられているのです。そのことすら憶えていないお客様が多く、建物に損傷があったときに「火災保険のことを思ったことがない」というお客様が多い理由にも十分うなづけます。

火災保険金が下りるのはどのようなときか?

それでは、実際に火災保険金が下りるのはどんなときなのでしょうか?

経年劣化は前提です。建物は今日も経年劣化し続けています。

屋根でも外壁でも雨樋でも、それぞれの部材に経年劣化していく過程があります。ある日突然劣化はしないのです。人間も同じですね、あるとき突然おじいさんになっていたら、竜宮城の玉手箱でも開けたのでないかということになります(゚o゚;;。劣化というのは徐々に起こるものです。

保険では徐々に起こったことは保険金支払い対象になりません。生命保険でもただ老いていくだけのことに対して補償はありません。しかし例えば足腰が弱くなっていたところにつまづいて転んでしまい、怪我をしてしまったとしたら・・・それは保険金支払いの対象になり得ます。

火災保険も同じです。経年劣化して弱くなっている部材が台風で飛んだり剥がれたりした。雨樋が積雪で曲がってしまった・・・など新築時は部材も丈夫なので耐えられたかもしれない台風や雪でも、年数とともに部材が弱くなったために耐えられずに破損することはよくあるのです。この場合は火災保険金支払いの対象には十分なり得ます。

建物のメンテナンス不足を理由に保険金を支払わないということはない

時々「建物を定期的に修繕しメンテナンスをしていないので全て経年劣化とみなされ保険金をもらえなかった」とご相談のお電話を受けることがあります。

実際にお問い合わせいただいた方の建物を調査したわけではございませんので保険会社がなぜそのように判断したのかは分かりませんが、あり得るとしたら築年数と修繕履歴の有無から考えて、台風や雪などの自然災害で急激に起こったことではなく、経年劣化で傷んだ範囲であると判断されたのではないかと思います。

建物の劣化部分に対して全て保険金を支払っていたら保険会社が潰れてしまいますね(>人<;)

ただし、前述したように鑑定は「ヒト」が行うものです。その鑑定人が100%正しい判断をしたのかというとそれは言えないと思います。

例え建物の修繕をしたことがないとしても、台風被害や雪、地震など、さまざまなリスクで保険金支払いの対象になるのです。そのための保険料をすでに何年も何十年も支払い続けられています(同じことを先ほども書きましたが・・・)。

これらの判断をご契約者様ができるでしょうか?

火災保険の補償内容もよくご存知ではない方がほとんどです。契約時に少し説明を受けただけでしょうから当然です。損害保険の火災保険担当の社員でもない限り普段から火災保険のことを考えている人はいません。

 

今回のコラムでは、建物の経年劣化と損害との判断について少しだけ意見を書かせていただきました。火災保険金の申請については、損害保険会社の正社員として火災保険に携わり、保険約款を熟知している社員が対応させていただきますので、弊社に是非お問い合わせください。

 

代表 尾前 美幸