コラム
保険金請求したら代理店から取り下げるように言われてしまったという事例
2022/08/08コラム
皆さん、こんにちは。
事例としては少ないのですが、保険金請求したら代理店に取り下げるように促されたという方がいらっしゃいます。
損害保険会社で勤めていたことのある私からしてもそのような対応は信じられないことなのですが、実際にあるようです。
弊社に相談がある事例は少ないのですが、おそらく氷山の一角ではないかと思います。
契約者は事故の時に保険金を受け取るために契約している
「日本損害保険代理業協会」という組織があります。そこでは損害保険代理店に対して、しっかりした顧客対応の指針が出されています。
当たり前ですが、保険会社が「顧客中心主義」や「お客様本位」という指針を掲げているのと変わりません。
代理店には保険を獲得する時だけではなく、契約者が1番頼りにしたいとき、すなわち「保険金請求」のときにしっかりサポートしていただきたいと思います。
保険金請求があり、契約者が保険金を受け取ることで代理店の手数料が下がる場合があります。それは仕方のないことであり、むしろそれも含まれて契約者が支払った保険料の一部を保険会社から手数料として、保険契約したときにすでにもらっているのです。
契約者は事故があったときに保険金を受け取るために契約しています。それ以外の目的はないのです。
保険金請求をスムーズに進めるために、間違っても請求を取り下げるように言ってはならないのです。
契約者の方も、代理店とは昔からの付き合いがあって情によって強く言えないという方もいらっしゃいますが、保険金請求を取り下げてほしいという代理店はいざという時に貴方のことを考えてくれていないのです。
毎年か何年かおきに貴方が支払っている保険料の一部をただ手数料として保険会社からもらっているだけなのです。
それで代理店として何かしてくれていると言えるでしょうか?そのような一方的な「お付き合い」は解消してしまったほうがよいのではないかと感じてしまいます。
結果として契約者は不信感を抱くだけで、代理店をあてにせずに保険金請求を進めるだけになってしまいます。その後の関係については言うまでもありませんね。
以下、「日本損害保険代理業協会」のホームページから抜粋します。
「日本損害保険代理業協会」が掲げる代理店の使命とは?
【代理店の役割】
代理店の役割は、消費者・保険契約者と保険会社のパイプ役となり、保険に関する知識や情報、トラブルが発生したときの交渉力など、お客様にとって格差が生じることのないように緩和する役目を担って、消費者・保険契約者を様々な危険から守るため、最適な保険提案を行うことです。
【日本代協がめざす理想の代理店像】
保険を選ぶ前に代理店を選ぶ、という考え方。
保険の種類が増え、その選び方にも悩む時代。ぜひ、「日本損害保険代理業協会」の加盟代理店にご相談ください。
(中略)
万が一の場合の対応など、様々な場面で、親身なコンサルタントとしてお手伝いさせていただきます。
【消費者・保険契約者に信頼される代理店】
消費者・保険契約者に信頼される代理店の具体的役割は次のようになります。
1. 契約締結前の役割
・お客様が抱えるリスクや問題に気づく。
・リスクや問題への対応策を提案する。
・保険への転嫁の優先順位をアドバイスする。
2. 契約締結時の役割
・適切な保険を選定して勧める。
・保険契約の内容を十分に説明し納得していただくように努める。
・適切な契約方法をアドバイスする。
・適切な保険料コストによる契約を助言する。
・お客さまの質問には的確に答える。
3. 保険期間中の役割
・お客さまに情報を伝えると同時に、お客さまの情報も収集する。
・変更事項を把握する。
4. 満期時の役割
・事前に契約満期の案内をし、リスクマネジメントの再実施と情報収集をした上で契約内容の見直しを行い、契約の継続、または更改の手続をする。
5. 事故発生時の役割
・お客さまからの事故通知の受付、事故状況の聴取をし、当事者としてとるべき措置のアドバイスをする。
・ただちに事故状況を保険会社へ通知する。
~その後の速やかな事故状況調査につなげる。
・事故の通知から保険金支払までのプロセスを説明する。
・お客さまの立場から保険会社との連絡を密にし、事故処理の進捗状況を伝える。
・保険金請求書類の取り付け方法のアドバイスをする。
上記、「日本損害保険代理業協会」のホームページから抜粋しましたが、
私も保険契約者です。
弊社にご相談いただいたような代理店であれば変えたくなります。
少なくとも契約者が困っているときには親身になって対応していただきたいものです。
以前のコラムも是非ご覧ください。
土井 隆